この記事ではアパレルデザイナーが転職する時に作成するポートフォリオの作り方を解説しています。
目次
【ポートフォリオ】で信頼をつかもう!
ポートフォリオを作る事が苦手なデザイナーは多いかもしれません。実は私も転職活動をしていた時期は毎日深夜まで作業していて大変でした。
しかしポートフォリオ作成にはコツがあって、それがわかると格段にいい資料になります。結論から言うと「トレンド」や「売上」といったポイントをいれるだけ。たったこれだけで採用したくなるポートフォリオが完成します。
そのやり方でポートフォリオを作ると結果的に面接官の信頼をつかめるので採用される確率もグッと高くなるります。
今回はそのポートフォリオの作成方法を解説してみたいと思います。
ポートフォリオを作る準備・ペルソナを意識する

ポートフォリオを作る前に明確にしないといけないのは働きたいブランドのターゲットです。そのブランドが「どんなビジョンを持っていて、どんな人に洋服を提供しているのか」を知る事がから始めましょう。
ターゲットを明確にしてポートフォリオを作ると、面接官は「この人はうちのブランドをよく理解しているなぁ」と感じますから、前のめりでプレゼンを聞いてくれます。つまりスタイル画の技術より何よりも重要なのです!!



ターゲットを設定すると聞き手が理解しやすくなるんですね!



そうそう。面接の時だけじゃなくて普段の仕事でもターゲットを意識することはとても重要だよ!!
ターゲットを設定するには、ブランド特徴を理解する必要があります。ここを詳しく知る事で本当にお客様が求めている価値観にたどり着く事ができるのです。
ブランドのターゲットを把握するには「ホームページを見る」「競合ブランドを知る」「直接お店に行く」この3つが効果的です。
直接お店に行ってみて販売スタッフにブランドの特徴や顧客の事を聞くのもありです。面接の際に「○○店のスタッフからブランドの事を教えてもらいました。」と言うエピソードにも繋がります。
ターゲットが明確になると、ブランドの人が見た時に胸を撃ち抜かれるような資料に仕上げることができますよ!
ポートフォリオの考え方・作り方



それでは、さっそくポートフォリオを作ってみましょう。
ポートフォリオ=スタイル画だと勘違いしている人がよくいますがそれは違います。ちゃんとした下準備が無いとスタイル画を描いても意味がありません。
転職用のポートフォリオを作るうえで大事な考え方は以下の3項目。
- トレンドが含まれていること
- 売れ筋商品が含まれていること
- ブランドらしさが含まれていること
【ポイント1】トレンドを含ませよう



ポートフォリオに「トレンド要素」が含まれていることは重要です。
トレンド要素は新しいヒット商品を作る上で重要な役割を持つので、必ずポートフォリオに含ませましょう。



トレンドは超重要だよ!!



もう少し、具体的に教えて欲しいっす!
例えば、私が転職活動をしていた時の事をお話しすると、当時はフレンチトラッドが流行していました。



こういった感じでトレンドを含ませる事は重要です。その含ませるトレンドの強さや種類はブランドによって変わるので注意しましょう。
【ポイント2】売れ筋を含ませよう



トレンドも大事だけど、採用されるためには売れ筋の情報を知っている事もすごく重要だよ。
お金になる要素=「売れ筋」をポートフォリオに含ませる事はかなり重要です。極端な話、最新のトレンドを提案出来ても売れなかったら全く意味がありません。
そういう所を採用する方は見逃しません。
【売れ筋】の悪い含ませ方
「過去の売れ筋」だけのポートフォリオ
実は売れ筋商品には性質上2種類に分ける事ができます。
昨年も売れていた鮮度の無い「過去の売れ筋」と鮮度のあるこれから売れそうな「未来の売れ筋」です。
つまり、昨年も売れていた過去の売れ筋は誰でも答えを出せるので、面接の提案としてはふさわしく無いのです。
厳しめに言うと「誰でも答えを出せる商品しか提案出来ない人」=「いてもいなくても良い人」と言う事になります。
【売れ筋】の良い含ませ方
「過去の売れ筋」と「未来の売れ筋」をミックスしているポートフォリオ
同じ売れ筋商品を提案しているのに違いは無いのですが、考え方の深さが違います。
この2つの売れ筋を混ぜる手法は以下のようなテクニックが使われています。
- トレンドを知っている事
- 売れ筋を理解している事
- 新しい売れ筋を作る姿勢
- 売上げを意識してスタイリングが組める事
スタイル画には鮮度のある「未来の売れ筋」を軸に考えてもう見えている「過去の売れ筋」を混ぜ込みます。
スタイリングは数字やトレンドだけでなく、センスを磨くのも重要です。お客様が立ち止まって、店内に入ってみたくなるような魅力的なセンスが必要なのです。スタイリングのセンスも奥が深いのでスタイリングの勉強をしたいのであればこちらがおすすめです。
哲学的な理論よりも写真のアイデアをとにかく増やしたい方はサルトリアリストがおすすめです。
【ポイント3】ブランドらしさを含ませよう
ここまで紹介した2つのポイントは、どの企業にも転用できる汎用性のあるテクニックです。
汎用性のデメリットは、良くも悪くもどこにでも使えてしまう言う事ですね。
そこで重要になるのが3つめのポイント!!それは受けたいブランドの特性を含ませることです。



ブランドらしさを含めるとこのブランドに提案したいんだ!!と言う意思表示になるよ。



もう少し、具体的に教えて欲しいっす!
ブランドには「ビジョン」や「コンセプト」があります。色やシルエットで表現されていればわかりやすいですが抽象的でわかりにくい場合もあります。
受けたいブランドのホームページを見て最低限ブランドコンセプト位は絶対に覚えておきましょう。
ブランドらしさを理解する事は重要ですが、突き詰めると長くなるので他の記事で詳しく説明しますね。
ポートフォリオの構成術・商品化したくなる企画を考えよう






ポートフォリオの考え方がだいぶ理解できたっす。理解はできたけど作業の進め方がわからないっす。



それじゃ、順番と構成を教えるから参考にしてみて!
転職用のポートフォリオは「スタイル画の技術のテストでは無い」と言う事がだんだんわかってきたと思います。
スタイル画を綺麗にわかりやすく描く事は必須ですが、面接官にとっては貴重な時間を削ってまで、わざわざ会ってくれている事を忘れてはいけません。理想は真似してでも商品化したいと思わせる資料に仕上げる事です。
では、どうすれば商品化したい(採用したい)ポートフォリオに仕上げれるのかを紹介していきますね。
ポートフォリオの構成を工夫する



ポートフォリオの内容が良い事は必須ですが、ポートフォリオの構成がわかりやすい事も重要です。
鮮度があって売れそうなポートフォリオが作れても構成に失敗すると相手が正しく理解出来なくなります。
基本的には前半で説明した項目を順番どおり仕上げてけば大丈夫です。
- トレンド情報
- マーケット情報
- ブランド
- スタイル画
ポートフォリオの構成・情報の集め方



構成の順番は理解できたけど、
情報の集め方に自信がないっす



次は情報を集める時に役に立つ物を教えるよ
コレクション情報やインスタグラムを使って、鮮度のある情報を集めましょう。
分析した内容を簡潔に文字でまとめましょう。
- コレクションのスタイリングを集める
- インスタグラムで情報を集める
- 雑誌で情報を集める
- WWDやフイナムなどのWEBから情報を集める
ホームページやECサイトからブランドコンセプトを調べましょう。
実際に店舗に足を運び感じれる事を簡潔にまとめましょう。
ここまでくると競合との違いを感じれるようになってきます。
- ホームページでビジョンを調べる
- ECでの商品構成を把握する
- 実際に店舗に足を運び、聞き込みをする
- 競合店との違いを感じ、ポートフォリオに書き込む!!
「トレンド」「マーケット」「ブランド特性」の3つの事を踏まえてスタイル画を描きましょう。特に指定がなければ、セール時期を省いた4つの時期に絞るとまとめやすくなります。
- FW展開の場合 9月 10月 11月 12月
- SS展開の場合 2月 3月 4月 5月
- リサーチした内容を含めたスタイル画を考える
- 展開日を4つに絞る
- 丁寧にスタイル画を描く
まとめ



以上が転職用のポートフォリオの作り方でした。普段から仕事をしっかりやっている人にとっては基本的な事だったかもしれません。しかしここに書いた事を実践すれば少なくとも面接官には好印象を持ってもらう事ができるはずです。
トレンドと売れ筋がブランドらしく表現されているスタイル画=商品化したくなる企画です。
商品化したくなる企画を提案できる人=採用したい人なのです。
途中までの集めた情報が同じになるはずですが、アウトプットする時はデザイナーによって提案が変わります。それこそがデザイナーの役割で有り、デザイナーの腕の見せ所ですね。
これから転職活動を始める人は是非、参考にしてみてください。
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