現役ファッションデザイナーのブログ

理想のデザイナーになる為の個別戦略【NB PB OEM】を理解しよう

お疲れ様です。

ファッションデザイナーになりたい人はまず初めにファッション産業の生産形態を把握しておくと良いと思います。

ブランドデザイナーになるのか、ショップデザイナーになるのかによって得られる経験や知識はかなり変わってきます。生産形態を知る事は自分がなりたいデザイナーの理想像に向けて、戦略的にキャリアを積む事が出来るようになります。

3つの生産形態を把握しよう

ファッション業界に限らず世の中のモノづくりの仕組みとして生産形態は大きく分けて3つに分けられます。わかりやすく図解化してみました。

まとめると下記のようになります。

ファッション業界の生産形態
  1. ブランドのデザイナー NB(ナショナルブランド)
  2. ショップのデザイナー PB(プライベートブランド)
  3. ブランドとショップを手伝うデザイナー(OEM・ODM)

ファッション業界はブランド(メーカー)とショップ(小売り)の立ち位置が曖昧なので構造が複雑でわかりにくいのですが、基本に立ち返り、シンプルに役割を整理するとグッと理解しやすくなります。

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NBデザイナー

ブランドの役割はショップに商品を卸す(売る)事。
お店に卸す為に作られたブランド=NB(ナショナルブランド)を作る事が仕事だよ。

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PBデザイナー

ショップの役割はブランドから仕入れた製品をお客様に販売する事ですね。
ショップデザイナーの仕事はショップのオリジナルブランド=PB(プライベートブランド)を作る事が仕事です。
僕が自社で販売する為に作った商品はSPAと呼ばれます。

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OEM    デザイナー

③OEM・ODMの役割はブランドやショップの企画のアイデアや、生産や品質管理を請け負う役割っす。製品は持ってないので、物販ではなく、サービス業っすね。

それぞれのデザイナーの仕事の関連を図解化してみると下記のようになります。

図解化すると構造が理解しやくなりますね。

構造が複雑になっている理由は

  • ブランド側はブランド商品を作るだけでなく、お店も運営している
  • ショップ側はお店を運営するだけでなく、ブランド商品も作っている

つまり、どちらも似たような事をしているからよくわからなくなってきたと言う事です。

そのまんま東さんが芸人よりの政治家なのか、杉村太蔵さんが政治家よりの芸人なのかわからないような感じです。ここが私たちが理解できない点は、どっちが本当の職業だっけ?ですね。

これがファッションでもおもしろいほどに、当てはまったわけですね。

自分で商品を作って自分で販売するなら「メーカー」も「小売り」も同じ事をしているよねという点です。どっちがどっちだとしても、そのまんま東と杉村太蔵はどうでも良いけど、ファッションの生産形態は把握しておいた方がいいですよ。と言う話なのでここの疑問をもう少し整理してみたいと思います。

NBとPBで全く違う【製品とお店】の役割

ブランド小売りが運営している【お店】と【商品】は役割が全く違いますが、一般の人にはなにが違うのかは、わかりません。しかし、私たちファッション業界に携わる人間はそれだとダメでそれぞれの【役割】という視点でそれぞれの意味を見極めていく必要があります。


結論から言いいますね。

NBとPBで全く違う【製品とお店】の役割
  • ブランド側の【製品とお店】は【差別化と世界観】を重視する
  • ショップ側の【製品とお店】は【利益と販売力】を重視する

仮説として言語化してみました。

では次に何故この仮説になるのかを、もう少し解像度を上げてみていきましょう。

ブランドが重視する【差別化と世界観】

ブランド(メーカー)の商品はお店から仕入れをしてもらわないといけないので価値のある差別化は必須です。そして運営するお店も【世界観】を重視します。つまり、ブランドが運営しているお店は「利益よりも、広告を追求している」と捉えた方が正しく理解できそうです。

ブランド側からしてみれば、小売りさえ仕入れてくれれば利益が確定するのでわざわざ、在庫が発生するお店を運営する必要はありません。それでも家賃の高い青山や銀座(もう古い?)に出店するのには利益以外のメリットがあるからです。

例えばショップが赤字でも「青山にあるあのオシャレなブランドね。」みたいな認識で一般化されたなら、イメージUPになっていてき、結果的に小売りの仕入れが増えて利益が増えた。と言う結果ならばガッツポーズなわけですね。

お店が赤字でも広告になり、相対的に利益がプラスならガッツポーズ!
お店の赤字で相対的に利益がマイナスなら撤退。と言えそうです。

なのでブランド側は「お店=世界観」「製品=差別化」として見てる事が多いです。

ショップが重視する【利益と販売力】

ショップ(小売り)が運営するお店は世界観よりも【販売力】という事に重点をおいています。製品も差別化よりも【売れ筋】が重視される傾向があります。

そう言ってしまうと利益重視のおもしろくないショップに聞こえますが、実際は小売り店の方がおもしろい事が多いです。セレクトショップなんかはまさしくこのポジションです。

差別化された複数のブランドを販売できるので様々な価値観が混ざりあったショップができるから魅力があるんですね。当然、価値観が多ければ、集客力もあがりますし、トレンドが変わる度に仕入れるブランドを調整できるので鮮度が保ちやすい特性もあります。

しかし、経営的な側面からみるとブランド側の商品は原価率が高いうえに在庫のリスクもあります。つまり売れ残ってセールをしたら赤字になるわけです。

そこで小売りは在庫を売り切る為の「販売力」のあるお店と「利益を確保」する為の商品を開発が必須になります。

つまり、ショップからみた役割は「お店=販売力「製品=利益」になります。ちなみに、仕入れた「ブランド=集客力」と翻訳できそうです。

NBとPBの【製品とお店】を比べた時に役割が全く違います。デザイナーの私達は一般の人達とは違う視点で切り取って観察する必要があります。

生産形態別デザイナーに理想的な能力

ここでフレームワークを用いて考察してみましょう。このフレームでは「商品の差別化の軸」と「販売を自社で行うかの軸」で整理します。

それぞれのポジョンで生き残る為のポイントがあり、そのポイントを調べていくと必要になるデザイナーの能力も見えてきます。

結論から言うと縦軸の上にいくほどクリエーションが必要になり高い知識や技術が必要になります。

横軸では右に行くほど売れる商品を開発する能力が必要になるのでトレンドを感じとるアンテナと売上を把握する頭の回転が必要になります。

左側半分は自社で販売する事がありません。つまり他社からオーダーをもらう事が仕事なので下請け構造になります。そうなると売上やスケジュールをコントロールできないのでコミニケーションスキルや生産管理能力が重要で、相手をうまく誘導する力が必要になります。

商社の得意分野ですね。

【ブランドデザイナー】NBに必要な能力

誰もがデザイナーになりたいと最初に思うのはブランドのデザイナーですね。
理由はかっこいいですし、そもそもそれ以外の生産形態を知らないからですね。

日本人デザイナーで具体的な例をあげてみるとコムデギャルソンCOMME des GARCONS)やサカイ(sacai)などのコレクションブランドがイメージしやすいでしょう。

コレクションブランド出なくても、NorthFaceとかChampionNIKEなどもブランドになりますね。

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NBデザイナー

NBで必要になる能力は売れ筋よりもブランドらしさを追求する能力と挑戦する勇気だね。差別化できないブランドは生き残れない。知識と技術をあげてクリエーションする事が重要だよ!

【ショップデザイナー】PBに必要な能力

PBで一番わかりやすいのはセレクトショップですね。BEAMSUnited Arrowsの違いはブランド商品よりオリジナル商品の構成が高く一般の人はPBとNBがわかりません。

PBデザイナーの役割は「利益」と「売る」事でしたね。
なので製品を作る能力も原価をはめれる事は重要ですし、いつからいつまで憂うのかという販売期間は在庫と機会ロスに直結します。トレンドも早すぎてもダメだし、遅すぎてもダメでちょうど良い所に球を投げる能力が求められます。

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PBデザイナー

PBを作るデザイナーはお客様が何を求めているのか把握する能力が必要です。販売期間や商品の見せ方。スタイリングもどうやって売るかと言う戦略を組める能力が必要です。
ビジネスセンスが研ぎ澄まされた人が多くいます。

【OEM・ODMデザイナー】に必要な能力

OEM・ODMは商社が一番イメージしやすいですね。自社で在庫やお店をもたず相手の生産や貿易を引き受けたり(OEM)、企画から生産まで引き受けたりします(ODM)。

まだファッション業界で働いた事の無い人や、働いたばかりの人はこのポジションにいるデザイナーの役割がよく理解できないかもしれません。自社で企画から生産まで出来るのに何故わざわざ、他者に委託するんだろうと思うからです。

そんな人の為に少し解説しますね。

ファッション業界は生地、工場、貿易とかなりの選択肢の組み合わせがでてきて、この組み合わせが複雑になる程OEMの役割が増してくるのです。

例えば、中国産の生地を使うなら中国工場で生産すると関税がかからず、貿易コストが抑えれます。では、国内素材を使うとどうなるでしょう。数量やデザインにもよりますが、カットソーなら国内で作った方が安くできるはずです。
中国だと関税がかかるからです。

ただ、ジャケットになると話は別で国内の工賃はべらぼうに高くなります。そうなると選択肢は日本以外の工場となりますが中国に持っていくと関税がかかり高くなってしまいます。それでは関税のかからないベトナムに持って行こうとおもってもベトナムのキャパが無い場合もあります。そしたら今度はミャンマーに…….。

みたいな話が日常的にあるわけです。これを自社の規模感だけでこれだけの工場にコンタクトを取るのは不可能なんですね。商社全体のオーダー規模があって初めて工場とのコンタクトが可能になり、生産を受けてくれます。

だからこのような生産を請け負うOEM・ODMという生産形態があるわけです。工場だけでなく、生地はヨーロッパの場合もあるのでそういった貿易系の処理や工場のスキームは商社無しでは出来ないと考えていいでしょう。

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OEM    デザイナー

OEM・ODMの役割は生産管理能力や処理能力、それと適応力が必要っすね。相手からのむちゃぶりとか速攻対応出来ないとオーダーもらえないっす。
スケジュールとかも急にでてきたり、貿易の段取りもうまく組む事でコスト他者よりも安く出来たりします。
他のジャンルにいるデザイナーより一歩踏み込んだデザイナーを目指したければおすすめです。

生産形態別の競争率

デザイナーの人数となりたいデザイナーのジャンル


人によっても、年齢によっても価値観は違うので一概には言えませんがデザイナーを裏側から見るとなりたいデザイナーのジャンルとデザイナーが働いてる人数の関係を図解にするとこうなりそうです。

NBブランドで働きたい人は依然として多く、それゆえ競争率も高くなります。

反対にOEMで働きたい人はそこまで多くなくて、実際に働いている人もPBやNBで働きたいと思っていたり、ブランドを自分で立ち上げたいと思っている人が多いです。

この図で何が言いたいかと言うとファッションデザイナーとしてどの立ち位置にいても勉強になると言う事です。それぞれの特性を理解できずにこんなはずじゃなかったと退職する人も多い業界です。

就職してから絶望する前に先にジャンル別の特性を理解しておきましょう。今のジャンルが嫌なら今あるリソースを全部吸い尽くして他のジャンルに転職しましょう。いずれにしてもいきたいブランドや行きたいジャンルがあるなら先に研究しておく事が何よりも重要だと言う事ですね。

それでは、デザイナーを目指す人も現役デザイナーの方もお互い頑張りましょう。

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