僕はファッションデザイナーをしていまして、仕事には困らない状態です。
アパレル産業は不景気ですが、デザイナーはちゃんと勉強すれば絶対に安定出来る職種です。
何故ならみんなそこまで勉強しないから。デザイナーは勉強すればした分だけ結果を残せる職種です。
絶対的な安定や、自分の納得できる知識が欲しいなら勉強する時間を惜しんではダメ。
妥協せず、しっかり勉強や練習をしていきましょう。

今回紹介する本は僕が今の地位を築くまでに勉強して
役にたった本を9冊に厳選したよ
目次
まず、生地の知識をつける本から紹介します。
アパレルで働くならどんな職種にも生地の知識が必要です。
僕が読んだ本の中でも特によく使う本を2冊に絞りました。
著者: 一見 輝彦 ほぼ全てを網羅した繊維素材の辞典
アパレル業界で働く人は生地辞典を1冊は持っておいた方がいいです。
いや、絶対持っておくべき!!
わからない素材や、名前があったら、すぐに調べれるようにしておきましょう。
辞典の中でも特におすすめなのがこの1冊!!
僕は10年以上この本を使っています。

amazonのレビュー評価は低かったけど、この本が絶対おすすめ。生地の本の中でも情報量、検索のしやすさなど、この本を超える本は今のところ無いよ。
著者: 大西基之 デザイナーに必要な生地の基本知識が身につきます。
実務で使える知識をつけたい人はこの本がおすすめ!
- 生地の文化的な背景がわかる
- デザイナー視点がわかる
学校で習う生地の知識は表面的な事なので、THE 勉強….って感じでつらめだったりします。
しかし、この本は紳士服の歴史や文化背景を織り交ぜながらの生地の解説なのでカルチャーが学べておもしろいんですよね。
そしてもう1つ。デザイナー視点の実践的な知識が見につくこと。
例えば、生地を選ぶ時に目付けを意識してますか?
メルトンのコートは通常〇〇gだよな。だけど、今回はビッグシルエットにしたいから、軽めの〇〇gのメルトンを作ろう。
みたいな事です。
目付のように感覚的な知識は経験で覚えるものですが、最初から目安を知ってると覚えやすいですね。

大西さんは古い貴重な文献なども持っていて、生地の研究をされている方だよ。生地のインポーターでもあり、服飾学校の先生だったりします。
デザインに必要な「感覚」とプレゼンに必要な「理論」が身につく本を紹介します。どちらが欠けてもプレゼンって通りにくいものなので良いと思った物を突き通せる力をつけましょう。
著者: 落合 正勝 メンズファッションの理論がわかります。
この本は読んでて面白く無い!内容もルールばっかりで言葉遣いもまわりくどい。ファッション業界の本はなんでこうも読みにくいのかな…..
でも、内容は素晴らしい!スーツの着こなしや考え方、思想などファッションの哲学を学ぶ事ができます。例えば下記のようなものです。
- ネクタイ用のシャツの襟の高さは4.5cm。
- ジャケットのラペルがフォーマルジャケットとして認定されるのはラペルの距離は首筋からゴージーまでの長さが9cmまで。
この本以上にドレスを体系化している本はないと思います。スーツ系のデザイナーはこの本の内容をしっておかないと恥ずかしいかもです。

こういう本を読んでる人は後から効いてくるよ!僕も新入社員の時にこの本を叩き込んだよ!

著者: 滝沢 直己 ビジネスとセンスのバランスを教えてくれる本
洋服はトレンドを入れすぎると売れなくなるし、前年踏襲では飽きられてしまう。そんなファッション業界の葛藤に1つの答えを出している本です。
僕もデザイナーのはしくれとして共感できる内容ばかりでした。
個性を大切にするイッセイミヤケとユニクロを経験した滝沢さんだから辿りついた答えなのでしょう。
1億人が共感できるベーシックなデザインでも、袖を通した時に、何かが違う。と思わせることは必要だ。個性を削る事と妥協は違う。
この服はこの部分にこだわろう!と思うポイントが大事なんだ。
そうじゃないと洋服ってこんなもんでいいかって思うようになっちゃうよ。
この本に書いてある本質を僕なりにかいつまみました。確かに、表面的な売れ筋情報だけもってきて、得意げに「こんなもんでしょ」と言うデザイナーは多いです。

主力になるほど、こだわりを削るデザイナーは多い!個性を削るのと妥協は全然違うよね!
スタイリングのアイデアはInstagramなどwebでの収集が一番多いと思います。でもそれは一般人でもできる事です。プロが一般人と同じ土俵では困ります。
写真で見た素敵な理由を伝えれる人がプロです。スタイリングのルールやカルチャーが作れない人はこれから紹介する本を読んでみるといいですよ。
訳: 片岡義男 ファッションの普遍的な哲学本
チープ・シックは1975年にアメリカのジャーナリスト達によって刊行されたファッションの哲学本です。
今でもスタイリングの基本となっていて、何年かに1度は必ず特集されるバイブルです。女性、男性問わずプロなら持っておくべき1冊です。
ベーシック
考え方の基本はベーシックです。この本で言うベーシックとは自分が着ていて気分がよくなる服の事。それをいくつか集める事で自分のスタイルが確立できる。
エッセンス
ミリタリー、エスニック、スポーツ、ドレスコードなど様々なエッセンスがあります。そんなエッセンスをスタイリングにもとりいれると良い。それぞれのどの要素が素敵なのか解説している。
基本的なスタンスはこの2つです。
ちなみにチープシックのアイコンはローレン・ハットン(Lauren Hutton)やジェーン・バーキン(Jane Birkin)です。素敵なわけですね。



著者: 長谷川元 くろすとしゆき 林田昭慶 石津祥介
本当のトラッドを理解する為の1冊
チープ・シックと同様に何年かに1度必ず雑誌やWEBで特集される本です。
写真集に近いです。
初心者には理解しにくいトラッドのような概念も感覚で理解できるようになります。当時の本物のIYVリーガー達を大学のキャンパスで撮影した大変貴重な本です。
著者のメンバーも重鎮ばかりです。
中身に興味がある方はこちらで内容がわかります。

TAKE IVYはファッション業界にっとってあまりにも有名な本。
TAKE IVYのあの感じ。みたいな会話はライターやスタイリストとの会話に出る事もあるし、知らないと恥ずかしいかも。

著者:穂積和夫 トラッドのスタイリングを覚えるにはこの本が一番
イギリスの貴族の文化を受け継いだ伝統的なスタイルです。
その背景には人に不快感を与えないと言うマナーがあります。
デザイナーなら何も見ないでトラッドの基本的なコーディネートを話せるようになりましょう。トラッドは洋服の基本が詰まっているので早めに覚えた方が良いです。
トラッドの着こなしを勉強するにはアイビーボーイ図鑑が絶対におすすめです。基本的にイラストだから覚えやすいです。
先述の落合さんの本と比べると間違いなく理解しやすい。
洋服関係の人じゃなくても簡単に理解できるので、入門書としてこれから読み始めるのもいいと思います。

穂積さんは生地のカテゴリーで紹介したメンズ・ウエア素材の基礎知識の著者大西さんとも仲が良いです。
デザイナーに特に学んで欲しいのは経営的な視点です。
経営的な視点があると原価率や消化率などの重要性がわかってきて、自分の感情だけではなくお客様目線で考える事が出来ます。
著者:柳井正 ヒット商品の作り方が理解できる本
この本を読んで私のデザイナーとしての価値観はかなり変わりました。
今回オススメしている中で一番読んで欲しい本です。
ヒット商品の作り方は特に衝撃でした。
当時の僕はヒット商品はかっこいいデザインが出来た時だと思っていました。しかしかっこいいのは当たり前でクオリティーに対して価格の驚きが必要だと言うのです。その矛盾が売れる要素で、その無理を可能にする人がプロだとおしゃっるのです。
この本を読んでから僕はヒット品番を作れるようになりました。ヒット商品が作れず悩んでたら絶対読んでみてください。必ずヒット商品を作れるようになります!!

デザインだけだから、ヒット商品が作れないんだと言う事に気づかされるよ。

著者: P.F.ドラッカー プロの仕事の水準を作り出す本
ピータードラッカーの名前は誰もが一度は聞いた事があると思います。マネジメント術で特に有名です。
私はこの本を読んでプロの仕事の考え方を知りました。今までの仕事の仕方は甘かったなと思う部分がすごくありました。
経営としての部分とプロとして自覚する為に必要な自己啓発のような要素も持っています。
下記はドラッカーの名言です。
時間は最も乏しい資源であり、それが管理できなければ他の何事も管理することはできない。
変化はコントロールできない。できることは、その先頭にたつことだけである。
未来を語る前に、現実を知らなければならない。現実からしかスタートできないからである。
PFドラッカー名言
ちなみに下記はドラッカーが一般に広まったきっけかになった本です。

自己啓発的な本では実務的な力が向上しないと、敬遠されがちだけど、僕が優秀だと思う人達は精神面が強烈に強い。自分や他人に求めてる水準が高いんだ。

今回紹介した本の使い方ですが、種類別で使い方をかえると効率的です。
- 辞典はいつもそばに置いてわからない時にすぐに調べれる状態にしておきましょう。
- 教科書的な本は読んでみてわからない事は理解できるまで覚えましょう。
- スタイリングの本は感覚を言語化する訓練をしましょう。何故このコーディネート好きなのか?言語化しておくと後々役に立ちます。
- 経営的な本は行動する時の考え方に

今回紹介した本をいくつか読んで理解したら飛躍的に実力があがっているのがわかると思うよ。