現役ファッションデザイナーのブログ

アパレルブランドが世界観を作れない【4つ】の原因。とその共通点

新時代を生き抜く上で必読すべきおすすめの本の中に「ニュータイプの時代」というのがあります。この本を読むと今まで役に立つかどうかで勝負していたなぁという事にハッとさせられました。

結論から言うとこれからの時代は意味の方が大事よねぇという話。

どう言う事かというと….

単純に洋服が素敵だから。とか、インスタのセンスが良いから。みたいな差別化された世界観が意味にあたります。

他にも、販売スタッフが好き。だったり、ブランドを応援してる。みたいなファン的な要素も意味に含まれると思います。

例えで説明すると。

「ある程度トレンド感があって、安くて良いものを着たい。ベーシックなTシャツならどこでも同じだからUNIQLOでのエアリズムを¥1000で買っている」

みたいな事が役に立つということで、

一方で

「大好きなヒゲダンのツアーで買った¥5000のTシャツは一生の宝物!!」

とか

「私は健康には気をつけているの。Tシャツだってオーガニックコットンにこだわっているのよ。」

みたいことが意味になります。

つまり、役に立つ商品は1つで良いという事です。

ハサミで例えると役に立つ機能は「よく切れる」です。なので役に立つを目指すと1番切れるハサミがあれば良くて2本目はいらないです。

僕はNARUTOが好きなので、NARUTOのプリントがしてあるハサミとかは欲しいかもしれません…..(汗)

出典 NARUTO


洋服に例えると

安くて良い服ならユニクロで良い」なので、2番目に役に立つ安い服いりません。

ユニクロより役に立つ洋服が作れなければ、お客様はいりません。しかしいまだに機能を目指しているチームが多いなぁと思うのですね。

なので、これからの新時代は世界観の時代になるよ。という趣旨のお話をしようと思っていたのですが….

その前に、よく考えたらチームで世界観を作るのってめっちゃ難しいよねぇと思い、まずは世界観を上手に作れない原因を整理してみました。

MEMO
この後は世界観を作れる人がいる前提で話を進めていきます。

なぜ世界観が作れないのだろう?

僕が実際に仕事をしてきた経験から、世界観づくりに失敗する原因はだいたい似ていて、せっかく作ってきた世界観を壊してしまう場合と、そもそも世界観を作れない環境があると思いました。

世界観が壊れる原因

  1. 世界観を無視した商品が製品化される。
  2. 売りたいのか、見せたいのか、がいつの間にかブレる。

世界観が作れない原因

  1. 世界観の商品は売れなそうなので、却下される
  2. 世界観の商品なのに好きか?嫌いか?で判断してしまう


この4つです。
具体的に1つずつみていきましょう。

世界観が壊れる【2つ】の原因

まず、こう言う時に世界観がこわれていくよね。というお話です。

【世界観が壊れる原因1】世界観を無視した商品が製品化される

もう少しわかりやすく言うと、ブランドらしく無い商品が製品化されている状態のことです。

こういう事が続いていくと顧客は「自分にあわないブランドかも!?」というマインド入り離れていきます。いわゆる幻滅したという状態です。

何故ブランドがわざわざファンを無くすような真似をするかと言うと、マーケットの売れ筋と同じ物を出せば売れるからです。

実際に僕の経験からしてみてもマーケットの売れ筋を作れば売れる可能性が非常に高いです。

ただしブランドにそぐわない商品は世界観が崩壊する危険性を孕んでいます。そして顧客ほどその違和感を見抜くのは得意なので

本当に良いと思ってないのに勧めてくるなんて!?こんなブランドは信用できない!騙されそう…..

と言う感じでだんだん信用を失い、ブランドから離れていくようです。

新規顧客を獲得しながら顧客を失っている感じです。

【世界観が壊れる原因2】売りたいのか、見せたいのか、がいつの間にかブレる。

世界観を出すポジションの商品の出来栄えが最高で、めちゃくちゃ売れそうじゃん!っていうのも世界観を壊す時があります。

一見かなり良いことのように思えるのだけど。
兎角、僕たちは売上が大好きなので、

「ここ削ればもっと売れそう。」

みたいな議論をしてしまいがちです。

売れそうだからディティールを削ぎ落とし、シンプルにした結果、

「中途半端で売れませんでした。

とか、

「世界観が他ブランドにはあるのにうちにはそういった商品が無いんですよ。」

みたいな振り返りや反省が毎回生まれてくるわけですね。こうなってくる原因は商品の立ち位置がぶれていることにあると思います。

世界観を出すポジションだったのに「もっと売れるようにしたい。」といった方向で修正を重ねていくと世界観をどんどん作れないブランドになってしまうのですね。

世界観を作れない【2つの】原因

それでは次に世界観を作れない環境になってしまう原因をまとめてみました。

【世界観を作れない原因1】売れなそうで却下される

世界観のポジションの商品を提案したのに

「売上とれるの?」

みたいな感じで詰められる時って結構あると思うのです。

「あっ、そもそも売上とるやつじゃないです。世界観を出す為に必要なやつでして….(困惑)」

「あ、それだけだったらやめよう。」

って言う、まぁよくあるやつです。

気持ちはめちゃくちゃわかるのですが、これ続けると役に立つ商品だけになって、そのブランドで買う意味や好きになる要素が無くなります。

ここの判断が難しいのは、本当にいらない商品かもしれないことなんですね。

判断基準が売れるかどうかではなくて、世界観がちゃんと表現できそうかどうかで判断することが重要で、それを共有できるルールが無いとチームとして世界観を作り出すのは厳しいかもです。

【世界観を作れない原因2】好きか?嫌いか?で判断してしまう

最後に「世界観を作る商品は必要だけど、その世界観は好きじゃ無い。」

と言った極めてセンスの違いから発生するすれ違いです。ここは好みの問題になるので一番やっかいかもしれません。

世界観が必要だと言う理解まで示しているが、好きなものがまるで違う。みたいになると提案のしようが無いなぁという状態です。

MEMO
判断基準を分かりやすくするには「ペルソナ設定」や「ブランドの使命」を明確にする事が重要です。ここが曖昧だと判断する人の好みになってしまうからです。

世界感の作り方がわからない人へ

世界観が作れない原因がわかってくると、それなら世界観ってどうやって作ったらいんだろぅという疑問がでてくると思います。

これに対しては正解は無くて自分たちで作っていくしかないんですね。

正解が無い。ということは、自分たちがこれからやる事を信じて進まなければいけません。

だから

世界観を作り、他の人を巻き込めるデザイナーはどんどん重宝されていくと思うのですね。

もちろんデザイナーだけじゃ無いです。

MDでも販売職でも、世界観を信じれる人がこれからの新時代を切り開ける人たちだと思います。

「世の中をこう変えたい」「こういうものを作りたい」という主体的な「想い」や「意味」を構想するという事をながらくしてこなかったオールドタイプは「自分はどうしたいのか?」「何を作りたいのか?」という問い、さらに指摘すれば「私は何のためにいきているのか?」という哲学的な問いについて考える脳の機能が萎縮・退化してしまっているのです。

ニュータイプの時代 P99

マーケティングの使い方


売れている物を分析し正解を出す力を「マーケティング」と言います。大学とかで学ぶやつで、この技術を使いこなすには、すごく勉強が必要です。

しかし皮肉な事にマーケティングが上手くなると他社と商品がどんどん似てくるんです……

だからこそ「こういう物を作りたい」という哲学を持っている人がこれから勝つ時代になっていくのですが、実は正解が無い分こっちのマインドを持ち続けれのは難しいです。

マーケティングから商品を作るのではなく、作りたいものを届けるためにマーケティングを使いこなせる事が最強だと思うので、両軸で鍛えていくといいと思います。

なんとなく主張めいた記事を書いてしまって恐縮なのですが、次は実際に世界観の作り方についてアイデアをまとめていきたいと思います。


今、つまづいている人は、この本を読んでみてね。

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