現役ファッションデザイナーのブログ

【チープ・シック レビュー】ファッションは自分のために!自分の生き方・スタイル・本当に必要なもの。

チープ・シック、僕が20代前半の時に読んだ本の名です。ラルフ・ローレンとか、古着が好きな僕のような人間には共感できる部分がたくさんありました。

20年後の今はと言うと、ファストファッション、品質の良い洋服が安く手に入る、すごく良い時代だと思うのです。

一方で、自分らしいスタイルを貫いている人達には強い魅力を感じます。

ちなみに、僕は洋服にお金をかける派です。自分に魅力があるのかはわかりません…..ですが、洋服と人生をリンクさせたいなぁ..とは思っているタイプです。

そんなわけで、自分のスタイルを見つけたい!とか、ファッションの哲学を知りたい!といった方にはヒントになるはずなので「チープ・シック」のレビューをはじめました。

元エルメスのデザイナーの経歴を持つクリストフ・ルメールは「チープ・シックは僕のバイブルだ。」と語っています。

【チープ・シック】の概要

  • 著者1:カテリーヌ・ミネリア
  • 著者2:キャロル・トロイ
  • 翻訳者:片岡義男
  • ジャンル:ファッションの哲学
  • サイズ:L.27cm W.21cm(A4くらい)
  • ボリューム:191P
  • 写真:300枚くらい
  • 発行:1975年
チープ・シックの評価
知名度
(5.0)
ボリューム
(3.0)
必読度
(5.0)
総合評価
(4.5)

【チープ・シック】のメッセージ

あなた自身が、自分のために自分でつくり出す服装のスタイルについて書いてみたのが、この本です。ファッションメーカーに命令されて服を着る時代は、もう終わっています。

自分が何を着ればほんとうの自分になるのか、どんなスタイルをすれば自分がいちばんひきたつのか、もっともよく知っているのは、なんと言ったって自分自身です。

チープ・シック

チープ・シックは洋服を通じた哲学だと思うのですね。言い方をかえると、洋服を選ぶ行為は自分の生き方そのものだ、といっても良いかもしれません。

それはさすがに言い過ぎだぁ、と思うかもしれませんが、ファッション業界に身を置く僕のまわりでは洋服で自分を表現している人は本当に多いです。

スタイルとは自分自身の生き方にそわせた洋服を選ぶ事

あたなの服装は、あたなが自分でえらびとっている自分自身の生き方にぴったりそったものであるべきなのです。ファッション雑誌の反映になってしまってるなんて、とても生き方とはいえません。

チープ・シック

【チープ・シック】著者の魅力


チープ・シックの魅力は時代に左右されない哲学にあるのですが、魅力の1つとして著者が世界的な女性ジャーナリストというのがあります。

たとえば、ファッションの着こなし方法といった類いの本は、巷にゃぁ溢れていますが、

世界的なデザイナーのインタビュー!とか、ヴォーグの編集長の着こなし方法!みたいなものがあったらおもしろうじゃないですか。

チープ・シックはまさに、そんな本なのです。それを実現させているのは世界的なジャーナリストだったからなのですね。

イヴ・サンローランやダイアナ・ヴィリーランドと言った偉人のインタビューが掲載されています。

著者1:カテリーヌ・ミネリア(Caterine Milinaire)

出典 Wikipedia

彼女の職業生活は、クイーンマガジンのジャーナリストとしてロンドンで始まりました。 1965年に彼女はニューヨーク市に移り、ヴォーグ誌にライター、写真家、ユースファッションエディターとして働きました。

Wikipedia

カテリーヌ・ミネリアはフランス人でパリで生まれた方です。「Queen Magazine」「New York Magazin」などのエディターの仕事をしていました。

ダイアナ・ヴリーランドから声がかかり、ヴォーグ誌の仕事をする為にニューヨークへ移住し、キャロル・トロイと出会います。

Queen Magazine 出典 Wikipedia

ハーパーズバザールの前身が「Queen Magazine」で、今は存在しない雑誌です。

「New York Magazine」はニューヨーク市を中心としたアメリカの文化や生活を伝える週刊誌です。


著者2:キャロル・トロイ(Carol Troy)

Carol Troy 出典 AMAZON

ヴァサー大学を卒業現在は、「ニューズデイ」「ニューヨーク」「ウィ」「ヴィレッジ・ヴォイス」「ミズ」「ウィメンズスポーツ」などに寄稿している多忙なフリーのジャーナリスト。

チープ・シック

キャロル・トロイはフリーのジャーナリストでした。アンダーグランドファッション雑誌「Rags Magazine」をカテリーヌ・ミネリアと編集していました。

Rags Magazine 出典 Rags archive

「Rags Magazine」をよく見るとチープシックのようなデザインになっています。

Rags Magazine 出典 Rags Magazine

彼女はヒッピー文化が大好きで、抗議運動に力を注いでいたようです。


翻訳者:片岡義男

片岡義男 出典 ミドルエッジ

1970年代後半からは「ポパイ」をはじめとする雑誌にアメリカ文化や、サーフィン、ハワイ、オートバイなどに関するエッセイを発表する

Wikipedia

アメリカ文化に明るい片岡義男さんが翻訳したこともチープ・シックの魅力の1つです。

どういうことかと言うと、片岡さんはファッション雑誌のエッセイを書いている作家さんでして、文体が読みやすいのです。

つまり、雑誌を読んでいるみたいにストレス無く読めるのです。

後にポパイのインタビューで「女性誌”アンアン”の文体をお手本にして欲しいと言われた。」と述べています。


【チープ・シック】のアイコン

あと、重要なのがアイコンの存在です。チープ・シックにはおしゃれ世界代表みたいな人達がたくさん出てきます。

ですが、なにしろ50年前のスター達なので、さすがにギャップもあるし、そもそも知らないんですどぉ、みたいな人もいるかもしれません。

そうなってくると、せっかくのインタビューも価値が下がってくると思うので、僕の偏見ですが、この人は業界的に知っといた方がいいぞぉ、みたいな4人を紹介します。

ローレン・ハットン

出典 ELLE

まず最初はローレン・ハットン。チープ・シックの一番のアイコンです。

彼女は女優であり、モデルでもあるのですが世界的におしゃれなアイコンです。

歳をとった今でもおしゃれだと評価されていて、73歳2017年にヴォーグ史上最年長で表紙を飾ったことでも話題になりました。

チープ・シックでは、シャツとジーンズだけのベーシックスタイルの着こなし方を紹介されています。


ダイアナ・ヴリーランド

出典 マチの、映画と日々のよしなしごと

「ハーパース・バザー」「ヴォーグ」の編集長として活躍したダイアナ・ヴリーランドの貴重なインタビューが掲載されています。

「爪の先まできっちりおしゃれをしなさい。」と言った哲学の持ち主です。ココ・シャネルの哲学に近いものがあります。

この方も重要人物なので覚えておいてください!

顔、髪、そしてボディから、とりかかるべきよ。このベーシックがきちんとするまでは、服のことなんか忘れなさい。

チープ・シック

まず、私だったら、靴にお金をかけるわ。どんな服にでもはいて歩ける靴。そんな、素晴らしい靴とブーツ。何を着ていても、靴はものすがく重要なのよ。

チープ・シック

イヴ・サンローロン

コレクションブランドで有名なイヴ・サンローランを作った歴史的なデザイナーです。今はSAINT LAURENT PARIS(サンローラン・パリ)になっています。

この時代のトップデザイナーであるイヴ・サンローランもチープ・シックのインタビューに答えています。

ラグジュアリーデザイナーですら、クラシックなもの、ベーシックな物、ピュアな素材。をとても大切にしていることがわかりますね。

変化なしに何年も着続けられるような、つくりのしっかりした、ベーシックな服、例えばブルージンズのようなものに、ますます私は信を置きますね。

服というものは、変化させずに何年も着続けられるべきものだと、私は思います。コットン、シルク、ウールのような、ピュアな記事が好きですね。


ポール・ニューマン

ポール・ニューマンはアメリカントラッドのアイコンです。

タンクトップにジーパン姿で紹介されています。いまでこそ、トラッドはおじさんのイメージがあるのですが、本当にトラッドな人のスーツの着こなしを見ると感動するくらいカッコいいんですよね。


【チープ・シック】の目次

チープ・シックは自分らしいスタイルを見つける為の本です。この本の順番どおり、1つずつ学んでいくと、洋服を選ぶときの判断基準ができてくると思います。

ベーシックという、とても大事なもの

例えばジーンズのようなものです。Tシャツなど普遍的なものに対する考え方を知ることからはじめましょう。

ほんとうにクラシックなもの

例えばトレンチコートや腕時計といったものです。仕立ての良いもの、品質の良いもの、など時間を超えたものを考えましょう。

その次にクラシックなもの

例えばアイビーとか、アメトラのようなものです。ラルフローレンやブルックスブラザーズのように品質が良く、時代を超えた価値のあるものです。

アンティーク

例えば、ヴィンテージや古着のことです。古着の考え方や身に着け方。ショップの選び方を考えます。

スポーツウェア

いろんなスポーツの為に作られた服の機能は本物であり、シックだというわけです。

民族衣装

民族衣装は完全にオリジナルであり、本物であるだけで十分着る価値があります。
スタイルも彩りをあたえ新鮮な印象になるのです。

1枚の布地と、あなたの体

ブランケットやストールの巻き方1つでセンスがでるものです。

作業衣の着こなしかた

例えば、ワークやミリタリーのことです。機能的で長持ちして、しかもやすい服。を考えていきます。

いろんな服の組み合わせ

これまでの価値観の組み合わせ方のヒント、インスピレーションの仕方を考えていきます。

【チープ・シック】を愛する雑誌

チープ・シックをおすすめする根拠の1つに、ファッション雑誌が定期的に必ず特集するというのがあります。

しかも、レディース・メンズと境界線がなく、オールジャンルのファッション雑誌がチープ・シックの哲学に共感していると思うのです。

POPEYE ポパイ

2013年のポパイです。この頃ポパイと一緒にチープ・シックも本屋さんに一緒に並んでいました。

50弱たっても特集され続ける、売れ続ける本。というのはすごいことですね。

GINZA ギンザ

ポパイ同様、マガジンハウス社から。

ギンザもチープ・シックを特集していますね。こちらは2016年の特集です。

ベーシック、ヴィンテージ、デニム、1枚の布、雑貨、はたまたグルメまで、ただの「安いもの探し」ではなく、スマートで賢く、いいものを見極め、自分のものにする、そんなメソッドをご紹介します。

マガジンハウス

FUDGE GIRL ファッジ

つづいて、ファッジ。

ファッジの場合はクラシックで仕立ての良いもの。長く着れるものの特集してます。

ワンシーズンで着られなくなる安価な服ではなく、長く愛せる名品を大切に着続ける。その上で、安くて上質なアイテムも上手に取り入れてミックスするがFUDGE的チープシック。

FUDGE

SPUR シュプール

2019年のシュプール。

そこまで大きく取り上げているわけでないですが、表紙にチープ・シックを引用しています。


雑誌で切り取ってみても、メンズ・レディース関係なくチープ・シックは愛され続けている事がわかると思います。

【チープ・シック】のまとめ

チープ・シックのレビューをここで一度整理します。

チープ・シック まとめ
  • 【チープ・シック】著者の魅力
    著者1:カテリーヌ・ミネリア
    著者2:キャロル・トロイ
    翻訳者:片岡義男
    著者や翻訳者そのものが魅力的です
  • 【チープ・シック】の4人のアイコン
    ローレン・ハットン
    ダイアナ・ヴリーランド
    イヴ・サンローロン
    ポール・ニューマン
    世界的なファッションアイコンの哲学がわかります
  • 【チープ・シック】のメッセージ
    基本から順番にスタイルが学べます
  • 【チープ・シック】を愛する雑誌
    POPEYE ポパイ
    GINZA ギンザ
    FUDGE GIRL ファッジ
    SPUR シュプール
    雑誌がいつも特集を組みたくなる本なのです

この記事を簡単に整理しました。

世界でこれほどまでに長く読まれているファッション系の書籍は他には無いと思うのです。

時代を超えて愛されているものは信用度がある。ということなのでこの哲学は学んでおいた方が良いと思います。

以上、チープ・シックのレビューでした。

チープ・シックを現代っぽく活かす方法なら2013年のPOPEYEが参考になります。


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